歯のクリーニングや歯石取りだけのご相談でもお気軽にお越しください
歯のクリーニングについてお話ししたいと思います。
歯科医師の立場からは
定期的にクリーニングしないと歯周病になりますよ!
とか
歯の寿命を延ばすためにしっかりとクリーニングしていきましょう!
というお話になりますが、皆さんの立場からは
歯石を取ってほしい!
クリーニングしてお口の中を気持ちよくしたい!
のようなお悩みになるのではないかと思います。
歯科医療として歯のクリーニングの重要性も知っていただきながら、皆さんが気になる、
・クリーニングの効果
・クリーニングの費用
・どのくらいの頻度でクリーニングするのがおすすめか
・クリーニングする時に痛みはあるのか
など、ご紹介します。
クリーニングはこのように行います
「歯のクリーニング(清掃)」は、次の4段階で行います。
1.歯垢や歯石のつき具合を確認
まず、歯垢(しこう)や歯石(しせき)がついている箇所をチェックします。
一番重要な項目で、ここでチェックすることが何よりも大切です!!
きれいにすることは簡単ですが、また少しすると確実にまた同じところが汚れてきて、知らないうちにどんどん進行していきます。
つまり、
『どこが汚れているのかを自分で把握して、磨き方を知ること。』
これがクリーニングの真髄であり、“予防”につながっているのです。
2.超音波スケーラーによる清掃
歯石や強い着色を落とします。
歯石や強い着色は歯ブラシのようなブラシでとることができないため、歯科専用の器具をいくつか使って除去します。
よく歯科医院で歯石除去をするときに用いられる器具で「キ―――」という音が出るものを使われた経験はありませんか?
あれは【超音波スケーラー】という器具で、その名のとおり超音波の力で歯石を粉砕しながら除去するので一番除去効率が高いです。
超音波スケーラーは歯石の除去効率が高い反面、その分パワーも強いので、苦手な人もいますよね?
そんな人や、歯がしみやすい人(知覚過敏)、ペースメーカーのような器械が体内に装着されている人などには、違った方法で除去しますので、気兼ねなくおっしゃってください。
3.ブラシやフロスによる清掃
歯垢やプラーク、残った着色を落としていきます。
歯垢やプラークは、いろいろなブラシやフロス(糸ようじ)などを駆使して除去します。 こちらは除去するパワーは少ないですが、普段歯ブラシが届かないところを丁寧に磨きます。
- 歯並びの悪いところ
- 親知らずの周り
- 連結している歯(ブリッジ)の下
4.虫歯や歯周病のチェック
歯科医師によって虫歯や歯周病などのチェックを行います。
歯石や汚れがある状態では、正確な診断ができません。 汚れの下に虫歯は隠れており、歯石の下に歯周病が隠れているのです。 ここで初めて、その人の治療の計画を立てることができます。
歯のクリーニングにはどれくらい時間がかかりますか?
クリーニングは、平均で1時間くらいをみてもらっていたら大丈夫です。
当院に初めて来られる場合には、最初の問診や検査などで30分くらい余分にかかります。 早く終わりたい人は一気にしてもいいですし、2日以上に分けることもできます。
「平均で1時間」というのは、人によって歯石や汚れの付いている量や硬さが違うためです。 定期的にクリーニングしている人と、何年もクリーニングをしていない人では、かかる時間がもちろん変わります。
また、歯並びの状態や口を開けられる大きさも人によって異なりますし、痛みに敏感な方や歯科恐怖症がある方などその人によってやり方を変えますので、あくまで平均の目安として考えてください。
クリーニングの際に痛みはありますか?
基本的に「痛みを我慢しながら治療をしなければならない」というのは、現代の歯科治療ではありませんので安心してください。
特にクリーニングは、歯を削るわけでもなく、痛みが出る要因は少ないです。 ただ「歯医者は怖い」というイメージもありますし、緊張もしますし、歯医者の器具は嫌な音がしますよね? 不安がある人は、最初の問診の時でも治療の途中でも「痛みに敏感なのでいつもよりやさしくしてください」とスタッフに言ってください。 パワーを下げてゆっくりやれば、より安心してクリーニングできると思います。
また、クリーニングを長期間していないために口の中がひどく汚れている場合には、歯周病が進行して歯ぐきが腫れあがっているため、「歯ブラシなどで触れるのも痛い」というような状態になることもあります。 その場合も痛いままクリーニングすることはなく、消毒薬や内服薬で消炎し、段階的にクリーニングをしていくことで痛み無くクリーニングできます。
クリーニングの際に麻酔はしますか?
当院では基本的にはクリーニングの際に麻酔は行いません。
歯のクリーニングでは麻酔をしなければならないような痛みが出ることは無いからです。 しみるような虫歯がある場合や、麻酔をしないと不安感が増すような場合には例外的に麻酔を行う事もありますので相談してください。
なぜクリーニングは衛生士さんがするのですか?
歯科衛生士が歯のクリーニングに特化した専門家だからです。
歯科衛生士は、「歯のクリーニングや予防指導」に特化した専門学校で学び、国家資格を取得したスペシャリストです。 クリーニングは歯科医師よりむしろ歯科衛生士が一番得意とする治療であるため、一般的な歯科医院では歯科衛生士のみが行います。 ですが、当院では歯科衛生士だけで全てを担当するのではなく、歯科医師もクリーニングに関わっていき、お互いがチェックできるような環境にしておりますので、さらに安心していただけると思います。
クリーニングの効果
一番わかりやすい効果は、着色がとれたときの見た目ですよね。 外来性(食事や煙草のヤニによるもの)の着色はクリーニングで除去できます。
加齢による変色、薬剤性の着色など、それ以外のいろいろな因子による着色はクリーニングのみでは効果が少なく、ホワイトニング(漂白)が必要になります。
一方で、クリーニングの効果としては“着色の除去”よりも“歯石の除去”が優先度は高く、歯や歯ぐきの健康を守る上ではとても重要です。
歯石というのは、ずっと付いていた歯垢(プラーク)がそのまま石のように硬くなっているものです。 つまり、その歯石の周りの歯ぐき(歯肉)は他のところよりも炎症が強く、そこから歯周病が進行していくのです。
さらに、歯石は『口臭』の一番の原因でもあります。
歯石は歯ブラシでは除去できないので、
「毎日歯磨きしているから大丈夫。」
と思っていても、歯石の周囲からは常に臭いが出ています。
“クリーニング”はどうしても汚れを除去することだけに目が行きがちですが、上で話したように
『どこが汚れているのかを自分で把握して、歯の磨き方を知ること』
そして
『汚れの下に潜んでいる虫歯や歯周病などを早く発見してもらって早期に治療すること』
この2つがとても大事です。
そうすることで、もちろん口の中は清潔になり、歯を削ることも少なくなり、結局のところ歯医者へ行く回数も費用もすくなくて済むのです。
タバコのヤニ取りはできますか?
はい、できます。
ただし、通常の汚れよりも取りにくいので、たくさん付着している場合には2回以上に分けることがあります。
黄ばみが気になります。歯を白くすることはできますか?
黄ばみの原因次第では白くできる場合があります。
黄ばみ(着色)はいろいろな要因で起こります。 上で説明したように、外来からの色素沈着による着色はクリーニングで除去できます。
他にも、10年以上かけて少しずつ重ねてきた着色や、治療した修復物の劣化や破損による着色、神経がない歯の着色、生まれつき歯の質が弱い場合の着色、などいろいろな要因の着色があり、それぞれ対応が違います。 どの対応にしても、最初は通常のクリーニングを行うことになりますが、その後の流れが気になる場合はスタッフに気軽に相談してください。
口臭は改善しますか?
口臭の原因がお口の中にあった場合は改善できる場合があります。
口臭の原因は大きく次の2つにわけることができます。
- 口の中が原因の口臭
- 喉から奥が原因の口臭
①に関しては、歯石や汚れが原因となり臭いを発しているもので、クリーニングをすることで改善されます。 ただし、歯周病が進行している場合については、歯石の除去は1回で全てとることは不可能なので、歯周病治療の進み具合に応じて口臭の強さが減っていきます。
②は胃や腸を壊していたり、喉や鼻が化膿していたりすると、その臭いが口から臭ってくることがあります。 この場合は、その原因に対処しないと口臭は改善しません。
歯垢や歯石がついていると…
歯垢や歯石は、歯周病を引き起こす原因です。
- 歯垢はまず歯と歯ぐきの境目に付着してきます
- 付着した歯垢は、だんだん歯ブラシでも取れないような硬さで付着し、歯石になってきます。
- そして歯垢や歯石の周りの歯ぐきが腫れて、出血しやすくなってきます。
腫れると痛みも伴ってくるので、ますます磨きにくくなり、さらに歯垢や歯石がたまっていきます。 - すると今度は歯ぐきの腫れだけではなく、歯ぐきの下にある顎の骨が溶けていきます。
すると骨でカバーされていた歯の根元が露出して「知覚過敏(ちかくかびん)」と呼ばれるしみる症状が出てきます。 - 骨が溶けていくにつれて歯がぐらぐらしてきます。
- そして、虫歯でもないのにぽろっと歯が取れてしまいます。
このように、歯垢や歯石は歯周病を進行させていく原因であり、怖いことに、溶けてしまった骨は治療しても2度と戻ってきません。 上でも説明しましたが、歯垢や歯石は口臭の原因でもあります。
さらに歯垢や歯石が引き起こす歯周病は、糖尿病とも深く結びついており、口だけでなく全身への影響も明らかになっています。
歯周病については次のページでもご案内しています。
クリーニング後の注意点(食事など)
クリーニングを行うと、今まで歯垢や歯石でカバーされていた歯の根元や歯ぐきが久しぶりに露出するので、一時的にしみるような症状を感じます。
その日の食事は、極度に冷たいものや熱いものを控え、酸味のあるもの(トマト、レモン、など)も避けた方が食べやすいと思います。
また、食事の後の歯磨きではいつもより出血しやすくなっています。 しかし、全く出血は気にせず、その日に教えてもらったことを参考に歯磨きを頑張ってください。
歯磨きをしていれば、出血は2、3日の間に回復して引き締まった歯ぐきになります。
クリーニングのおすすめの頻度
基本的には次のような目安と言われています。
- 歯周病のない人で1年に3~4回程度
- 歯周病のリスクが高い人は1~2ヶ月に1回程度
人によって口の中の状態も、毎日の歯磨きの状態も、全身的な状態も異なっているため、頻度に関しても様々です。
定期的にクリーニングに通う人は、口の中が清潔に保たれるため、歯の治療をすることが少なくなり、歯の寿命は長くなります。 つまり、痛いときだけ歯医者に行く人と比べても、自分の歯がどんどん無くなっていくリスクが少なくなるだけでなく、結局のところ歯医者に行く時間と費用も少なくて済みます。
クリーニングの費用
歯のクリーニングは保険治療です。
一般的な3割負担の料金だと、クリーニング代は約3,000円です。 初めて当院に来院される場合は、最初に検査などを行うので、約4,000円になります。
(保険証をお持ちでない場合は、10割負担になるので約10,000円です。)
自宅でクリーニングはできますか?
最近、ドラッグストアなどで簡単な歯石を取る器具が販売されているのを見かけます。
自分の口の中を鏡などで見ながらすると思いますが、見えやすい上の前歯の表側など一部だけはできるかと思います。 ただし、自分でやるのは力加減もわからず、器具が間違って歯や歯ぐきを傷つけてしまう結果になりかねません。
歯科医師や衛生士でも自分自身のクリーニングはやろうとも思いません。
最後に
歯のクリーニングについてご紹介しました。
歯科医師としては「歯周病がー歯の健康がー」と口うるさく言ってしまいがちですが、クリーニングを行うと歯垢や歯石がきれいに取れて、患者さん自身もとても気持ちいいと思います。 当院は歯のクリーニングだけでも行っていますので、お気軽にご相談ください。
ご相談・ご予約は次のリンクからお願いします。
今後とももんのうち歯科クリニックをよろしくお願いいたします。