顎関節症は病院に行くべき?その場合は何科を受診?
次のようなの症状を顎関節症(がくかんせつしょう)と言います。
「口を開こうとすると顎が痛い」
「口のあけしめの時に耳の前方から音がする」
「大きく口が開きにくい」
「口が閉じにくい」
顎関節症は、しばしば頭痛や、肩こり、耳鳴りなどの症状と合わさっていることが多く、どこの科にかかっていいのか分からなくなると思います。
顎関節症は、口の中や顎の関節の周りの組織が原因になっており、歯医者が診断しますので歯科医院を受診してください。
歯科医院の中でも、口腔外科と書いてある医院、あるいはホームページなどで顎関節症を紹介している医院を受診することをお勧めします。 もちろん当院でも診察できます。
顎関節症は病院へ行くべきですか?
症状が改善しない場合や、痛みや口が開けにくいなどで日常生活に支障が出ている場合には受診をおすすめします。
顎関節症は、一時的に症状が出て、自然に緩解する場合があります。
症状が軽い場合は1週間くらい様子を見て、症状の改善が見られないようであれば受診してください。
口が開きにくいなどの日常生活に支障が出ているようであれば、悪化しないうちに早めに受診することをおすすめします。
顎関節症とは
顎関節症の症状
歯科医院に顎関節症で来院される患者さんの症状として一番多いのが、
「口をあけしめすると顎が痛い」
という症状です。
初期症状では、口を開いて動かそうとする時に、こめかみや耳の前の方、あるいは頬のあたりに痛みを感じます。
さらに症状が進行すると、「口が開きにくい」状態になったり、「口が閉じにくい」状態になります。
また、「口を開けると顎のあたりから“カックン”とか“ジャリジャリ”というような音が出る」こともよくありますが、これも顎関節症の症状です。
しかし、音が出ているだけで無症状の人は3割程度いると言われ、そのままずっと痛みなどを伴うことは無く無症状で経過する場合が多いため、音だけであれば経過をみていて大丈夫です。 この音がどんどん大きくなっていく場合や、痛みなどの症状を伴うようであれば歯科医院を受診してください。
顎関節の痛みはひどくなると、頭、耳、首や肩など周囲の器官にも痛みを併発してきます。 逆に、頭や耳が原因で痛みを生じたときに顎関節付近も痛くなることもあり、この場合、原因の病気が治ると顎関節の症状も治まります。
このように顎関節も含めた複数箇所の痛みや症状が併発した場合、どこに原因があるかはそれぞれ内科や歯科で診断をする必要があります。
日本口腔外科学会のホームページでも「顎関節症」を詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
顎関節症の原因
「顎関節症」というのは、1つの病気ではなく、顎関節やそのまわりの組織が障害や変形を起こす病気をまとめてつけられた病気です。
障害が起きている場所によって、大きく4つの型に分けられます。
- 筋肉の障害
- 関節周囲の組織の障害
- 関節円板(かんせつえんばん)の障害
- 関節の骨の変形
この中で、関節円板の障害が最も多くみられます。
関節円板というのは、上顎の骨と下顎の骨の間にあるクッションのような組織のことで、この関節円板が通常の位置からずれてしまうことで障害が起こり、顎関節の動きの制限や痛みを発症します。
では、なぜ上のような障害や変形が起こるのでしょうか。
これは様々な因子が複合的にからんで、顎関節や周りの組織に大きな負荷を繰り返し与えることにより、発症すると言われています。
様々な因子としては、次のようなものが挙げられます。
- かみ合わせ不良
- 歯ぎしり・食いしばり
- TCH(歯列接触癖)
- その他の癖
歯ぎしりや食いしばりと顎関節症
歯ぎしりや食いしばりは、日常生活の身体的なストレスや、精神的なストレスに起因していることがよく見られます。 精神的に弱っているときに口の中に出やすい症状として、舌痛症の次に顎関節症が多く認められることも報告されています。
TCH(歯列接触癖)と顎関節症
TCHとは、必要がないときにも上下の歯を接触させる癖のことです。
人間は安静にしているときには上下の歯は基本的に接触していません。 ですが、ふと気づくと前歯などを接触させている癖がある人がいます。
そうなると、口を閉じる筋肉が常に働き、顎関節周囲に常に緊張を与えることにより、顎関節症を発症する原因となります。
顎関節症の原因となるその他の癖
日常の生活習慣にも、顎関節症の原因となるいろいろな癖が隠れています。
- 片側だけで咬む癖
- ほおづえをつく癖
- うつぶせに寝る癖
- 電話を顎に挟む癖
このような癖は、左右の顎関節のどちらかに偏って大きく負担をかけます。 その結果、顎関節症が発症する原因となります。
顎関節症を放置するとどうなりますか?
顎関節症を発症した場合、症状がひどくなければ、そのまま2、3日たつと自然に症状が回復してくるということはよくあります。
目安としては、1週間くらい様子をみて、症状が改善しないようであれば歯科を受診してください。 日常生活に支障が出るくらい症状が進行している場合には、悪化する可能性が高いので、早めに受診してください。
そして、1週間たってもほとんど症状が改善していないのにずっと受診しないままだと、症状の悪化をまねき、治療期間の長期化につながります。 顎関節症だと自分で思い込んでいても、違う病気だったということも十分に考えられ、その場合自然に治癒することは絶対にありません。
様子をみるのは1週間までにしてください。
顎関節症の治療はどのようなことをしますか?
まず歯科医院に来院されたら、問診、触診(顎関節周囲)、レントゲン検査、口の中の診査、口の開け閉めの状態のチェックをして、「顎関節症であるかどうか」、「どのタイプの顎関節症か」を診断します。
上でお話ししたように顎関節症の原因は次の4つです。
- かみ合わせ不良
- 歯ぎしり・食いしばり
- TCH(歯列接触癖)
- その他の癖
①と②の場合は、咬み合わせの調整やマウスピースの作製を行います。
③と④の場合は、家庭でできるリハビリトレーニングやマッサージの方法を指導いたしますので、その上で日常生活の改善すべきところを改善して、症状の緩和に努めていただきます。
もちろん、すべて保険治療で行うことができ、当院で治療や指導は可能です。 当院でマウスピースを作製した場合、約6,000円(3割負担時)です。
最後に
顎関節症についてご紹介しました。
軽度のものまで含めると顎関節症でお困りの方は非常に多いです。 少しでも気になる症状があったらお気軽にご相談ください。
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今後とももんのうち歯科クリニックをよろしくお願いいたします。