大人の歯の生える順番は?いつ頃どの歯が生えてくる?

お子さんの歯に関することで悩んでおられるお母さんは多いのではないかと思います。

「歯磨きはちゃんとできているんだろうか」
「いつから歯医者さんに行けばいいんだろうか」
「歯並びはこれで正しいんだろうか」

など、いくら考えてもお悩みは尽きないと思います。 私も二児の父なのでとてもよく分かります。

今回は、その中でも「子供の歯の生えてくる順番」についてお話ししたいと思います。

その他のお悩みについてはこちらのコラムもご覧になってみてください。

赤ちゃんの歯(生後0日~1歳未満)

お子さんの口の中に生えてくる乳歯は、お母さんのお腹の中にいたころから作られ始めていたものです。

妊娠7週目くらいから“歯の卵”のようなものができ、17週目くらいでそれが硬くなり始めます。 そして生後1ヶ月半くらいになってやっと歯の形ができてきて、6ヶ月頃になると口の中に出てきます。

その乳歯は、大人の歯が生えてくるまでの6年から10年くらいの間、お子さんのお口の中で活躍するのです!

歯の生え始め

生後5~8ヶ月頃、歯が生え始めます。

歯が生える頃になると、離乳食を食べる準備をするためによだれの量が増えてきて、口の中に違和感を感じておもちゃや自分の手を口の中によく入れるようになります。

一番最初に生えてくる歯は、下の前歯が多いです。 ただし、上の歯から生えると異常ということではなく、時期も生える順番も個人差があります。

基本的には左右は同じ時期に生えてくるので、片方だけ生えてきていないような場合、あるいは1歳過ぎても歯が生えていない場合は、相談してください。

一般的には1歳になる前に上下の前歯が4本ずつ、計8本生えてきます。

歯の形が違う気がする

歯の大きさや形はみんな違います。

その中でよく見られる形態異常として「癒合歯(ゆごうし)」という歯と歯がくっついた形をしている歯が出てくることがあります。 この歯は機能的には他の歯と全く変わりませんが、歯のくっつき方によっては虫歯になりやすい形態になっている場合があるので、受診して予防処置を行うことをお勧めします。

さらに、生えかわる大人の歯が少ない場合が多く、生えかわり時期にはレントゲン検査を行うなど注意が必要です。

お子さんの歯が原因で、授乳するときにお母さんが痛い

上でも書いたように、歯の形は一人ひとり大きさも形も違います。 時にはとがったような歯が生えてくることもあり、授乳時にとても痛くて、うまく授乳できないことがあります。

無理してそのままあげ続けていると、乳腺炎や感染症状を起こす危険性もあります。

そういった場合、とがった歯を少し磨いてあげるだけで角が取れたり、歯を丸くコーティング加工することができますので、気軽にご相談ください。

歯の色が違う気がする

お子さんの歯の一部、または全体が、出てきたときから黄色や灰色だったりすることがあります。

これは「虫歯」や「汚れ」が原因の可能性もありますが、他にも「エナメル質形成不全症」「象牙質形成不全症」など歯の硬化不全の状態の場合が考えられます。 硬化不全の程度によっては歯がもろい状態になっている場合もあり、治療や予防処置が必要になることがあります

また、ミルク以外でお茶などの色のついた飲み物をよく飲ませていると、歯の表面に着色してくることがあります。 この着色は虫歯ではありませんが、歯ブラシでは取れないので、着色は強くなっていきます。

特に寝る前に飲ませると着色しやすいので、寝る前は水やお湯などにしてあげましょう。

歯磨きはいつから?

歯が生えてくると、虫歯のリスク予防を考え始めなければなりません。

下の前歯は唾液である程度流されるので虫歯にはなりにくいため、歯磨きは上の前歯が生えてきたら始めましょう(生後7~9ヶ月頃)

歯磨きと言っても、離乳食が始まるまではミルクや母乳が主なので、ガーゼなどで拭いてあげる程度で構いません。 特に、哺乳するときには上の前歯の裏側にカスがたまっていくので、気を付けて拭いてあげてください。

粉ミルクは、商品によって糖分が含まれているものも含まれており、ミルクだけだからと言って安心は禁物です

離乳をするタイミングは考えが皆さん違うと思いますので、時期は一緒ではないと思います。
(参考:授乳離乳の支援ガイド/厚生労働省

ですが、大事なことは、離乳食を食べ始めたら、小さめの歯ブラシを購入して歯磨きを始めるということです。

最初は慣れないので泣くこともあると思いますが、ベッドや布団の上で寝かせて足などでお子さんの身体を固定してから、口の中を磨いてあげてください。

早く上手にできるようになるコツとしては、「お子さんが泣いて暴れているときほど、お母さんの肩の力は抜いて、時々お子さんの目を見て、優しく話しかけながら歯磨きをすること」です。

毎日していたらお子さんはちゃんと慣れてきますよ!受診したときに一緒に練習しましょう!!

幼児の歯(1歳~6歳未満)

生後0日から1歳未満までの子を「乳児」といい、小学校入学前(6歳頃)までの子を「幼児」といいます。 3歳までには乳歯がすべて生えそろい、6歳前くらいから大人の歯が生え始める子もいます。

歯が生えてこない、歯の生える順番は??

前歯の4本が生えた後は、すぐ隣の歯が生えてくる前に、もう1本奥の歯から生えてくるのが一般的です。 前から数えて、(①→②→④→③→⑤)という順序で上下左右とも生えてきます。

つまり、最終的に乳歯は、上下10本ずつで20本そろうことになります。

生える順番や時期に関しては、多少のずれは個人差があります。

ただし、基本的に左右は同時期に生えてくるので、片方だけ明らかに生える時期がずれているようなら相談してみましょう。 生えるのが遅れている原因としては、「歯がもともと無い場合」、「歯はあるけど何らかの原因で出てこられない場合」、「成長発達が全体的に遅れている場合」などが考えられ、レントゲン検査で確認する必要があります。

歯医者さんはいつから受診したらいい??

上下とも前歯が4本そろったら受診を始めましょう。

時期的には、国が定めている歯科検診(1歳半検診)の少し前だと思います。 1歳半検診で母子手帳にチェックが入る前に、受診しておくことをお勧めしています。

凹んだ形をしている奥歯が生えてくると、ますます虫歯のリスクが高くなり、歯磨きがとても重要な役目を担ってきます。 歯磨きの仕方を歯医者でしっかり習っておきましょう。

もちろん、生えかけの前歯や、歯ぐきや舌など他にも気になることがあれば、歯が生える前でも歯科受診して全く問題ありません。

歯科医院は虫歯になっていなくても受診する??

もしお子さんが風邪をひいたりインフルエンザになったりしたら、小児科に連れていって薬を処方してもらえば完全に元に戻ります。

でも、もし虫歯になったらどうでしょう。

虫歯になったら、薬ではもちろん治りませんし、どこの病院でも元のきれいな歯に戻すことはできません。 虫歯になった部分を削って修復するしかありません。

かといって虫歯にならないように糖分を全くとらない生活なんてできないし、身体にもよくありません。

ではどうするかといえば、歯科医院を受診して虫歯になる前に予防していくしかないのです。

中には、「虫歯になったら歯医者に行って治療してもらえばいい。まだ乳歯だし。」と思われる方がおられるかもしれません。

実は虫歯は少しずつ歯並びも悪くしていきます!!

虫歯になると、歯が少しずつ腐って無くなっていくわけですが、そうすると咬み合わせる歯との間、あるいは隣り合った歯との間に空間ができ、歯はその空間の方に動いて行ってしまいます。

乳歯は、永久歯の場所を確保するために存在しているのに、隣り合った歯との間がどんどん狭くなってくると、永久歯のスペースはその分少なくなってしまい、出てくるときにはずれて出てきます。

つまり、乳歯の虫歯の管理は、永久歯の歯並びの管理でもあるのです。 さらに、治療をする歯が増えれば増えるほど虫歯になりやすくなり、自分の歯が少なくなるほど欠けたり折れたりしやすくなる・・・悪いことばかりです(><)!

歯並びが気になる、斜めに生えてる、ガタガタしている

自分のお子さんの歯が斜めに生えてきたり、ガタガタになってきたりしていると、なんとか早めに対処してあげたいですよね。

ただし、この時期に大人のように矯正装置を口に入れるなんてことはしません。 なぜなら高校生くらいまでは、歯を支えている顎の骨もどんどん大きく成長するからです。

まず家でできることとしては、口の習癖(指しゃぶり、爪かみ、唇かみ、口の開けっ放し、など)がないかどうかお子さんをよく観察し、少しずつ無くしていくように心がけることです。

もちろん、どのように対処していけばいいかご相談に乗りますので、気になることは小さいことでも尋ねてみてください。

最後に

なるべく分かりやすくご説明したつもりですが、もし分からないところがあればお気軽にご相談ください。

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